Myanmar Yangon
ヤンゴンの南部はイギリス統治下に街づくりが行われた旧市街です。重厚な歴史的建築物、ぎっしりと連なるアパートメント、物販店、レストラン、旧市街の中心となるスーレーパゴダ、新旧の建物が碁盤の目状の敷地に並び、道路には活気に満ちた物売りや飲食の屋台が軒を連ね、建物上階の住居部には生活の匂いが感じられ、まさにテレビに映る東南アジアらしい繁華街、混沌として清潔とは決して言えないが活気にあふれ多少怪しさも漂う街並みです。
旧市街はオフィス街でもあります。植民地時代に作られた官公庁や銀行が立ち並びます。一角には日系企業が多く入居しアップルも入っている有名なビルもあります。日本設計が設計し鴻池組が施工しました。
旧市街に、ボージョーアウンサンマーケットがあります。民族衣装を作るための仕立屋を兼ねた生地屋、衣料品、化粧品、宝石、置物等の店が海外からの観光客を中心に多くの人を呼び込んでいます。
ボージョーアウンサンマーケット
旧市街は夕方になると帰宅途中のビジネスパーソン、買い物客と物売り、旅行者、様々な人たちが行きかいます。
今、経済の発展に伴いヤンゴンの街は新築ラッシュになっています。 ヤンゴンの北部には最新の高層オフィスビルが建設され、清潔感のある近代的なビジネス街が形成されつつあります。経済成長の波に乗る 上昇志向の強いビジネスマンは、ステイタスと効率をスマートな外観で設備も整う新しい高層ビルに求めると思われます。
ショッピングセンターも北部に多くできています。
旧市街のボージョーアウンサンマーケットの向かいにも新しいショッピングセンターができました。開店前には若い人たちが楽しそうに扉が開くのを待っています。さらに現行の建物の隣に大規模ショッピングセンターとラグジュアリーホテルが建設中です。
近年、行政は旧市街を清潔に秩序だったものにすべく指導をしているようです。すでに屋台の出店には規制がかかり随分と整理され綺麗になったとのことです。植民地時代の建物も新たに塗りなおされ観光客向けの施設に変わったものもあります。
ヤンゴンには未だハイブランドの直営店はありません。シャネルもグッチもエルメスも。民主化と経済の開放が進んだとはいえ国民の多くは未だ収入は低く、一部限られた富裕層はベトナムやタイに出かけてショッピングを楽しむのだそうです。
それでも、国の経済が成長しハイブランドがヤンゴンに直営店を出すという未来を描くことは、今のミャンマーの勢いからみれば必ずしも荒唐無稽ではありません。
もし実現するならば、それはどのような場所にどのような形でできるのでしょうか。旧市街の歴史的建造物内でしょうか。それとも北部のラグジュアリーホテルのなかのショッピングモールでしょうか。ヤンゴンには都市再開発のための空間が十分にあります。開発のための投資も集まりつつあります。何年か後、経済が発展し中産階級層が厚くなれば、そこから新しいライフスタイルが生まれ、その人たちの欲求を満たすべくこの街は大きく姿を変えるでしょう。
豊かな未来を想像し明日に希望を持つことが可能な街、今のヤンゴンの街と人をみてそう強く感じました。