「合同会社 物と事の作業室」は<ファシリティを開発し、運営し、活用するための仕組み造りのお手伝い>をする個人事務所です。
「合同会社 物と事の作業室」は 、運営と活用の立場に立って、<ファシリティマネジメントとデザインマネジメントのお手伝い>を行う個人事務所です。
「合同会社 物と事の作業室」は、物と事の両面から、生きた建物に向かい合い、 <建物にかかわるすべての人たちが大切なものとして認める建物の価値> を生み出すよう活動します。
目指すこと
物と事の作業室が目指すのは、〈物としての〉建物と、そこで行われる〈事としての〉活動に働きかけ、建物を訪れる人、そこで生活する人、そこで働く人、さらに近隣の人、建物をとりまく社会の人々、 〈建物にかかわるすべての人たちが大切なものとして認める建物の価値〉 を生み出すことです。
生きた建物
〈物としての〉建物が人に使われることによって諸々の成果が果実として生み出され、その果実が建物の評価軸となっていきます。建物は使われることが無ければその存在の意味を失います。使われるということは経済的生産的な行為に限らず、建物の内外で様々な〈事としての〉活動が行われることです。それは、建物にかかわるすべての人たちが行うすべての活動です。建物を創りだすという作業を前章とすれば、使われている状態、すなわち〈事としての〉活動が行われている状態こそが建物の生涯の本章、真の在り様、生きた建物と考えます。
故に「物と事の作業室」は〈生きた建物〉と向かい合い、状態を観察し、分析し、結果として得られた所見を対象とされる建物に、あるいは新たな建物を創りだす作業に還元します。
建物と人
建物とはそれに直接かかわる人たちが大なり小なり何らかの影響を直接受けざるを得ない存在です。そこに住む、そこで働く、そこを訪問するすべての人は建物の機能とそこで行われる様々なことを体で受け止め、安心、興奮、満足、いろいろな感情とともに、あたかも建物を身にまとうように自分の在様の一部としてしまいます。「物と事の作業室」は、〈建物にかかわるすべての人と建物とのかかわり方〉に注目します。
建物と社会
建物は場所から動かせないものであるゆえ、またその大きさゆえに、個人的な所有物の範囲を超えて土地と結びつき社会の共有物として存在しています。小規模な住宅であれ、巨大な高層ビル、あるいは人が住むことのない工業生産施設であれ、現在社会の構成要素そのものであり過去への手掛かりであり未来への礎でもあり続けるのです。それゆえ、「物と事の作業室」は〈建物と社会とのかかわり方〉に注目します。
全体像を把握することが困難な現代の建物と「協働」「媒介」
現代、建物は複雑な物理的構造体に変容し、法律上、経済上、工学上、巨大な知の集積体となり、 さらに膨大なエネルギーと資源を消費する環境負荷の源となり、個々の人にも社会的にも大きな影響を与えています。 それゆえ建物にかかわる仕事は分業化専門化が進み、一技術者が全体を把握することは困難になってしまいました。設計者、施工者、維持運営管理者さらに近年は資産運用の専門家など、多くの専門家が専門領域の知見を個別に建物所有者に提供することとなっています。
しかし、細分化した業務は相互の関連を失いやすく、その建物にかかわる人々が総合的に建物の状態や影響を把握していくことは困難となりつつあります。
この課題を背負いながらも、建物にかかわる人たちは建物の在り様を把握し問題を解決し、さらにより良い状態に向けて行動しなければなりません 。 そこでは複数の専門家が並行して行う「協働」、さらに協働を進めるための「媒介」、 この二つを正確に機能させることが必要と考えます。
ファシリティマネジメント
ファシリティマネジメントは「企業、団体、等が組織活動のために施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動 ( 日本ファシリティマネジメント協会 ) 」と定義されています。
「物と事の作業室」はファシリティマネジメントが「対象となる施設を総合的に把握しようとする試み」であること、そして「目的のために活用されるものとして施設を把握しようとすること」この二点を重視します。このことにより現在の建物が直面する課題を実際的なものとしてとらえることができると考えるからです。
デザイン
19世紀に萌芽し20世紀のドイツにおいて形を成したデザインという作業を「物と事の作業室」では、人を中心に据えて科学技術を駆使しつつ商品創りを行う作業ととらえています。そこには知覚を通して人にとっての物の価値や意味を論理的に探るという視線があります。「物と事の作業室」は建物を経済的あるいは審美的観点からのみ見るのでなく、加えてこのデザインの視線に同期し、物の向こう側にある意味を探りつつ作業をしたいと考えています。
改めて「物と事の作業室」の手法 と目指す処
「物と事の作業室」は〈生きた・社会的な建物)を総合的合目的に把握する手段としての「ファシリティマネジメント」の領域に立ち、 人を中心に据えて科学技術を駆使しつつ商品創りを行う 「デザイン」領域に踏み込むことで建物の持つべき価値を射程にとらえたいと考えています。
そして分離してしまった専門性の再結合を「協働」「媒介」という作業形態の中に探りつつ、 〈物としての〉建物と、そこで行われる〈事としての〉活動に働きかけ、 〈建物にかかわるすべての人たちが大切なものとして認める建物の価値〉を生み出すよう活動したいと考えています 。